2013年1月31日木曜日

開催報告 近畿大学 ジェネラリスト全国80大学行脚プロジェクト@近畿大学~家庭医療・総合診療って何?~


プロジェクトスタッフの菅家です。
1月27日に近畿大学で行われた ジェネラリスト全国80大学行脚プロジェクト@近畿大学の開催報告を紹介します!

市立堺病院の朴澤先生が中心になって開催まで動いてくださいました。朴澤先生、そして講師の先生方、ありがとうございました!!

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日本プライマリ・ケア連合学会 ジェネラリスト全国80大学行脚プロジェクト@近畿大学
~家庭医療・総合診療って何?~


場所 近畿大学医学部 大講堂
日付 2013年1月27日
講師
朴澤 憲和先生 (市立堺病院総合内科 近畿大学29期生)
玉井 友里子先生(兵庫民医連家庭医療学センター)
上枡  潔先生 (洛和会音羽病院総合診療科レジデント 近畿大学30期生)・
井村 春樹先生 (洛和会音羽病院総合診療科レジデント)


「家庭医療・総合診療に親しむ」ことをテーマに近畿大学で初の行脚プロジェクト開催の運びとなりました。近畿大学の学生を中心に、関東・東海地方など全国の医学生、実際に第一線で働く若手医師など合計34名が参加しました。

総合内科医として働く卒業生の実体験、家庭医の実際、症例検討会、家庭医の思考・診療をグループワークを交え追体験するWSを順次行いました。そして、最後に事前に全国のジェネラリストに依頼した実態調査アンケートの結果報告、学生と参加していただいたジェネラリストのFree talk、医学生へのメッセージを頂きました。

当日は卒業生でSpecialist(小児外科)として御活躍される先生にもご参加いただき、和やかながら活発な会を開催することが出来ました。

・家庭医療・総合診療って何? 
朴澤 憲和先生 (市立堺病院総合内科 近畿大学29期生)
玉井 友里子先生(兵庫民医連家庭医療学センター)

Openingは卒業生であり現在市中病院の総合内科医として働く朴澤による
レクチャー: 或る内科医の軌跡 ~僕が総合内科で働く理由~
前後半の2部制で、前半は『Global side』として総合診療(病院総合医、ホスピタリストを中心に)の歴史、日本における総合医の多様性を説明。
後半は『Personal side』として自身が総合診療に興味を抱き、葛藤、挫折を経て仲間に支えながら総合内科医として働く至った過程、現在自身が行っている診療と大切にしていること、最後に医学生へのメッセージを伝えました。

その後、玉井先生から『家庭医療って何?』として、
家庭医として働きながら実践していること、大切にしていることを、実際の症例を通してレクチャーして頂きました。
1人の患者さんの背景にある家族、生活、そして地域を含めて診療していくことの面白さ、奥深さが伝わる内容だったと思います。
                                                   
・GIM style Case Conference
上枡  潔先生 (洛和会音羽病院総合診療科レジデント 近畿大学30期生)・
井村 春樹先生 (洛和会音羽病院総合診療科レジデント)

主訴・現病歴・身体所見から鑑別診断・検査・治療計画を考えていくという症例検討会。臨床推論能力を鍛える点で非常に優れた手法であり、洛和会音羽病院で月に一度開催される『京都GIMカンファレンス』をはじめ、総合内科医/病院総合医の間では比較的一般的に行われています。
今回は、卒業生の上枡先生と同診療科の井村先生により、京都GIMを再現することになりました。
75歳女性、大腿骨頸部骨折後に発熱、咳嗽あり、抗菌薬内服を継続するも
微熱が持続するため総合診療科に紹介となった…
小グループに分かれ、問診項目、取りたい身体所見、鑑別を話し合いながら、症例検討は進みました。『その質問はどんな疾患を考えてですか?』
『この病気を疑うのなら、もう少し聞きたいこと、取りたい所見はありますか?』
2人の絶妙な司会進行で、臨床推論を楽しく学ぶことが出来たと感じています。
最後にはタイトルの種明かしまで忠実に再現していただきました。

・家庭医療のEssence  ~家庭医の頭の中~
玉井 友里子先生(尼崎医療生協病院 家庭医療専門医 )

先ほどの症例検討で登場した75歳女性が退院し、訪問診療を受けることになりました。あなたは往診に行きます… 家に行ったら何を見ますか?
突然の問いかけに、一瞬どよめいたものの、先ほどのグループディスカッションで打ち解けたこともあり、『掃除されているか』『段差はあるか』『バイタルサインや元気さ・活気』など活発な意見が出ました。各グループから次々と自由な発想の意見が出ました。
その後も「洗濯物が干しづらくなって困っている、どうしよう?」
「この家族は5年後どうなっている?」など 病気のみならず患者背景・社会生活まで含め包括的に医療を行っていく方法を、皆で発想をシェアしながら学ぶ実践的かつ楽しいWSとなりました。

・Free talk+全国のジェネラリストからのmessage
最後の企画は、今回の行脚に先立ち全国のジェネラリストに御協力いただいた実態調査アンケートの結果を報告、それを基に会場のジェネラリストと学生
のFree talk.
「ジェネラルな能力とスペシャルの両立は可能か?」
「これからの総合医のキャリアパス・資格は?」といった質問から
「家庭医の家庭は?」など、プライベートな質問まで、様々な話題が出ました。
そして、最後に全国からのジェネラリストからのmessageを、スライドを通じて伝えた後、参加していただいた先輩医師からのメッセージを頂戴しました

・Closing・集合写真  
最後に朴澤先生から
「今日は自分が卒業した大学でこのような会を開催出来て本当に光栄です。今日は終わりではなく、始まりです。今は色々な情報が手に入りやすくなっているし、知り合った仲間たちを大切にしていきましょう。」というメッセージで会を締めくくりました。



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