プロジェクトスタッフの菅家です。
今回は、6月9日に福島医大で行われたワークショップ「家庭医療レジデント1日体験」の報告を頂きました!
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タイトル 「家庭医療レジデント 1日体験」
日時 2013年6月9日(日)10時〜12時
会場 福島県立医科大学 第一講義室
講師 山入端浩之、川名瞳、北村俊晴、中村光輝
(福島県立医科大学 地域・家庭医療学)
今回、福島医大で学生を対象にしたワークショップを開催しました。
内容は、患者さんと後期研修医(レジデント)の診療経過を時系列でたどりながら、家庭医療レジデントが日頃どのように悩み、学んで、成長していくかという過程を参加者に疑似体験できるようにしました。当日は、9人の学生が参加してくれました。
東日本大震災による津波で妻と義母を亡くし、その後、不眠の問題を抱え外来を訪れた患者さん。レジデントはその不眠の原因を精神面だけでなく身体疾患の面からも検索し、最終的にうつ病の診断に至ります。
薬物療法を開始し症状が軽快したため、ホッとしているレジデントに、指導医から「グリーフケアはどうしているの?」という問いかけ。レジデントがつまずいたポイントを参加者と共有しました。すなわち、一つ目はグリーフケアを実際にどう進めればいいのか、二つ目は軽快している患者に辛い経験を思い出させ症状を悪化させる可能性がないかということでした。
この二つのポイントを参加者も一緒に考えてもらえるよう、まずグリーフケアについて解説しました。それを踏まえ、ワーク①では「この患者に何と声をかけますか?」というテーマで議論しました。その後、どう話を進めていいか分からない参加者へのヒントとして「患者中心の医療の方法」を解説しました。それをコミュニケーションの足掛かりとしてもらい、ワーク②で同じ内容を議論しました。
ワークで出た内容としては、「本人の解釈がどう変わったか」「思い出した時にどういった感情が出るか」「周りとの関わりはどうか」「仕事はできているか」「今後の不安はないか」など様々な角度から患者を評価する声掛けが出されました。ただ、亡くなった方と共に生きる「Remembering」というグリーフケアの考えをどう患者に伝えるかの議論までは至りませんでした。
ワークショップ後のアンケートでは、全体の満足度として9名中8名が5段階の5の評価でした。高評価の点としては、家庭医がどのように考えて外来をしているかが理解できて良かったというものが多くありました。ただ1名は3の評価であり、始めのアイスブレイクで打ち解けられなかったこと、話のテンポが聞きづらかったという指摘がありました。
次回にむけての改善点として、発表者4人のプレゼンテーションの方法を統一し伝わりやすくすること、話しやすい雰囲気を作ること、スライドの表現をより平易で分かりやすいものにすること、ワーク②ではロールプレイなどを取り入れ、さらに参加者の理解度を高める方法を検討することを考えています。それを元に、さらにブラッシュアップした内容のワークショップへ発展させていきたいです。
(福島医大 地域・家庭医療学講座 山入端浩之)
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