2012年3月24日土曜日

開催報告 徳島大学 家庭医療ワークショップ


プロジェクトスタッフの菅家です。

今回は、京都家庭医療学センターの太田先生より、
徳島大学での家庭医療ワークショップの報告をいただきました!

今回は、太田先生、そして國永先生が徳島大学出身とのことでしたが、

当プロジェクトでは、出身大学、出身県など縁のある先生方に、
ぜひ関わっていただきたいと考えています。

今後も、各地で勉強会を開催しますので、皆様ぜひご協力ください!

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私の母校である徳島大学で、家庭医療ワークショップを開催いたしましたので報告いたします。

日時:2012317日 1300~1800
場所:徳島大学講義室
参加人数:学生6(21名、42名、63)、講師5
松坂英樹、岡田奈保子(岡山家庭医療センター)
蓮間英希(家庭医後期研修プログラム「なごみ」)
太田敦(京都家庭医療学センター)
國永直樹(倉敷中央病院救急センター)
   オブザーバー:徳島大学大学院総合診療医学分野 河南真吾先生

当日のスケジュール:
13:00-13:20 イントロ(松坂)
13:30-15:00 WS1(岡田)  
休憩30
15:30-17:00 WS2(太田) 
休憩10
17:10-17:20 まとめ・シメ(太田)  
17:20-17:40 医師の素顔①(蓮間)
17:40-18:30 医師の素顔②(國永)
集合写真+アンケート

ワークショップ内容
①イントロ:松坂先生より「80大学行脚プロジェクト」の紹介、メンバー紹介があり、その後、参加者少数のため自己紹介をしてもらいました。「座右の銘は?」のお題に個人の考えが垣間見られる場面がありました。もともと参加者全員が「地域医療研究会」http://tiiki-iryo.jimdo.com/のサークルメンバーであるため、リラックスムードで開始となりました。
②ワークショップ1 disease & illness
1週間続く心窩部痛主訴に来院した吉野川三郎50歳男性の外来場面でのデモからスタート。Hスマ先生のぶっきらぼうながらも的確な問診により胃炎と診断。その後のグループで、Hスマ先生の外来の良かった点、悪かった点をディスカッション。OSCE直後の4年生からは、OSCEでは完全に再試ですコメントあり。患者への対応については、学生はよく教育されているのを感じました。
続いて、disease 解剖学的アプローチのレクチャーの後、グループワークにて鑑別疾患をピックアップ。2年生もいましたが、数多い鑑別疾患が挙がりました。
その後illnessについてのレクチャーおよび「かきかえ」のロールプレイを行いました。
多少のぎこちなさはありましたが、役になりきっていました。illnessをどのタイミングで聞き出すのかなどの質問がありました。diseaseillnessのバランスよく行う重要性についてコメントがありました。
③ワークショップ2 context
内服薬にて軽快せず1週間後に再診の三郎さんに対し、どのようなことをさらに聞きたいかグループでディスカッション。内服状況、ストレスの有無、職業などが挙がる。その後コンテクストについてレクチャーを行い、医師役、患者役、観察者役に分かれロールプレイを実施。医師役では実際の外来経験がないため、質問が唐突で単発に終わってしまい情報が集めにくいと感じ、患者役では聞かれた質問にどこまで答えるべきか悩む場面もあったようです。話題に相方向のリズムが生まれると深い内容まで自然に情報交換できることも感じていただきました。最期にcontextを探る意義を説明の後、吉野川三郎さんのcontextをスライドで紹介して終了しました。
④まとめ
2つのワークショップのまとめをスライドで実施。家庭医の基本的な考え方である「患者中心の医療」の2つの柱を学習したこと、これらを統合して患者医師関係の強化を行い、共通の理解基盤を築いてゆくことなどを説明しまとめとしました。
⑤医師の素顔として2年目初期研修医の蓮間先生と8年目医師の國永先生に語っていただきました。
蓮間先生の初期研修中のモチベーショングラフは斬新で、笑いと愛に満ちた内容でした。そんな中、受持ち患者が増えることによる精神的、肉体的疲労があること、救急でのヒヤリハット後落ち込んでしまったことなど、研修医の苦悩もさらりと紹介されていました。
國永先生は徳島大学の先輩医師。「徳島を愛するがゆえに徳島を離れ外から眺めてみる必要を感じた」と冒頭から熱いトークでした。「目の前の溺れた人を助けるのが◯◯医の仕事だが、上流で溺れないような工夫をすることも必要」「頻回救急受診の高齢腹痛患者に対して、安易な処方、他科紹介では問題は解決しない。disease & illnesscontextを知る必要がある」など、予防医学、家庭医療にも相当深い理解と情熱が伺われました。患者を救いたいという熱い思いの素晴らしい徳島大学の先輩先生の話で最後は拍手喝采で終了となりました。

参加者アンケート、集合写真後、全員で懇親会会場へ徒歩で向かいました。
ここでも学生からはいろいろな質問が出され、熱いトークが遅くまで繰り広げられました。

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