2012年12月31日月曜日
1/12 千葉大学 千葉で学ぼう、家庭医・総合医!
プロジェクトスタッフの菅家です。
今回は、千葉大学で行われる勉強会の企画案内をいただきました!
お近くの皆様、ぜひご参加ください!!
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日時:1/12(土) 13:00受付開始 13:30 ~ 17:30
(18:00頃より近くで懇親会予定)
タイトル:千葉で学ぼう、家庭医・総合医!
(主催:日本プライマリ・ケア連合学会 ジェネラリスト80大学行脚プロジェクト)
対象:医療系学生(学年は問いません) 千葉大以外でもOKです。
場所:千葉大学医学部
内容:
・家庭医・総合医になるためのキャリアパス
・地域で働くことって?
・ある患者と家庭医の3年間を追う
・大学での医学教育と家庭医・総合医
家庭医・総合医ってどんなもの?どこで何をしているの?どうしたらなれるの? 千葉大学には総合診療部があり、こういった領域を目指す学生も多いと思います。 実際の家庭医・総合医の実際のフィールドは大学の外にあることも多く、学生さんにはわかりにくい所が多いと思います。
今回は、千葉大学の卒業生で、家庭医・総合医として活躍している先生方を中心に、千葉大学でこのような勉強会を開催することになりました。ジェネラリストを目指した若手世代が、どんな場で、どんな思いで働いているのか、聞いてみませんか?
ポリクリや学生生活に役立つ内容もたくさんあります。是非、ご参加ください。
講師:
濱井彩乃(亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科 千葉県出身)
松村伸(亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科)
井口真紀子(湯沢町保健医療センター/地域医療振興協会 千葉大2006卒)
勝山陽太(手稲家庭医療クリニック 千葉大2010卒)
家研也(三重大学医学部附属病院 総合診療科 助教 千葉大2004卒)
大平善之(千葉大学医学部附属病院 総合診療部 助教 企画アドバイザー)
申込は以下のフォームよりお願いします。
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?fromEmail=true&formkey=dEFJLTNCSXpWVURNY1N5Uk8xSzZFa2c6MQ
うまくいかない場合、上記アドレスを直接ブラウザに貼り付けてください。
良くわからない場合などは、
連絡先:片岡 晃希(千葉大学医学部2年) mail: spyt5yu9(アットマーク)oregano.ocn.ne.jp
までご連絡ください。
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2012年12月25日火曜日
開催告知 1月8日(火)岡山大学 OCSIA定例会 『思春期の不登校』
プロジェクトスタッフの中山です。
手前味噌で恐縮ですが、思春期保険相談士として
学生向け思春期勉強会を岡山大学で行いますので開催告知をさせていただきます。
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1月OCSIA定例会
テーマ『思春期の不登校』
<日時>2013年1月8日 19時~
<場所>岡山大学医学部 管理棟8階 第10カンファレンスルーム
<講師>中山明子先生(大阪家庭医療センター・西淀病院 家庭医)
<スケジュール>
プレ(19時~19時30分):思春期レクチャー
思春期にまつわるいろいろな問題について総論的にミニレクチャーを行います。
1部:19時30分~21時 不登校の親子とのコミュニケーション
医療面接テーマ「不登校で引きこもっている子のお母さんとの問診」
いつも通り医療面接、フィードバック+Discussionを行ないます。
Discussionが白熱することが予想されるので、2部の予定はいれておりません。
定例会後、懇親会も予定しております。みなさま、是非!!
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もし、参加希望・見学希望があれば中山までご連絡ください。
中山明子(大阪家庭医療センター 西淀病院 家庭医スタッフ)
acconakayama★gmail.com (→★を@に変更してください。)
開催報告 滋賀医大 第14回放課後家庭医療学レクチャー
行脚プロジェクトスタッフの菅家です。
滋賀医科大学で継続的に行われている「放課後家庭医療学レクチャー」、第14回の報告を、北海道家庭医療学センターの中村先生からいただきました!
中村先生、ありがとうございました!
滋賀医大 放課後家庭医療学レクチャーの皆様、今後共どうぞよろしくお願いします!!
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滋賀医科大学 放課後家庭医療学レクチャー 第14回 「家庭医が診る胃腸炎」
北海道家庭医療学センターのフェローの中村琢弥です。
2012年12月22日に滋賀医科大学にて「胃腸炎」についてのレクチャーをおこないましたため、その報告を行います。
本学習会は私の母校である滋賀医科大学の家庭医療勉強サークルであるFPIG関西や国際医療保険学習サークルであるTuktukの皆様と協力し、2011年4月より毎月約一回のペースで連続開催している家庭医療学習会の第14弾になります。
今回は冬の特別編ということで、午後の長めの時間を確保しまして、久しぶりのdisease領域である「胃腸炎」をテーマとして開催することになりました。日本の医学部ではいわゆるおなかの風邪である「感染性胃腸炎」についてしっかりと学ぶ機会はそう多くはありません(もしかしたらまったくないかも)。今回は家庭医としてはCommon中のCommonである胃腸炎を医学生全学年対象に楽しく学んでいただくこととしました。
WS前の事前準備では教育計画書を作成、今回は知識領域として胃腸炎にまつわる診療上のポイントを整理して学ぶこと、技術領域としてORSの作成を修得すること、態度領域として家庭医が胃腸炎をよく学び診療することの重要性を認識する、これらを掲げて本番に臨みました。また今回はファシリテーターとして大津ファミリークリニックの斉藤先生と来住先生、滋賀家庭医療学センター(弓削メディカルクリニック)の雨森医師、京都家庭医療学センター(膳所診療所)佐々木先生にご参加いただきました。ありがとうございます!
さて、当日は13:00から開始、参加者である学生は合計約20名となりました。セッションではIce breakingと同時にFirst sessionとして「胃腸炎にまつわる貴方のエピソード」をグループ毎に共有いただき、それぞれの知識を棚卸ししていただきました。さらにその後、胃腸炎診療の実際をみていただくために来住先生と佐々木先生によるロールプレイを行っていただき、その診療にまつわるディスカッションを皆さんにしていただきました。
その後、胃腸炎診療についてのポイントレクチャーです。今回は実際の診療上で扱うことを中心とするなどを分類してレクチャーしました。これらの内容をふまえた上で、医師患者役に分かれてのロールプレイを行っていただきました。テーマは胃腸炎診療における指導で、感染予防や水分補給方法、職場復帰について、身につけたばかりの知識を活用して頑張っていただきました。
これらの講義の後、小休止をおいて、ORSの講義と作成実習を行いました。なるべく手軽に作れるように、また味を調えるためにオレンジジュースを使用したレシピに工夫して皆さんに体験していただき、本会は終了しました。
全体として非常に熱心に取り組んでいただけたレクチャーとなったと思います。特に医学部の1年生~6年生まで全ての学年の方が参加していただけに学習ポイントを多種多様に用意したことがよい方向に働いた様に思います。胃腸炎というあまりこの手の学習会ではおよそ扱われないテーマだったこともまたチャレンジしがいのある内容となりました。
報告は以上です。今後もこの会は月一回で継続予定(次回は2013年1月開催予定)です。
2012年12月24日月曜日
1/27 近畿大学 全国80大学行脚プロジェクト@近畿大学医学部
プロジェクトスタッフの菅家です。
今回は、1月27日に近畿大学で行われる企画をご紹介します!
講師には、市立堺病院の朴澤先生を中心に、関西若手医師フェデレーション(kan-fed)のメンバーの先生方の協力もいただけるそうです!
近畿大学の学生の皆さん、そしてお近くの皆さん、ぜひご参加ください!!
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市立堺病院総合内科の朴澤と申します。
2013年1月27日(日)に近畿大学医学部で開催予定の80大学行脚プロジェクト@近畿大学について、企画の詳細が決定しましたのでご案内させていただきます。
日本プライマリ・ケア連合学会による、学びたい学生とジェネラリストをつなぐプロジェクト、全国各地の大学で開催されていますが、今回は「家庭医療・総合診療って何?」をテーマに、kan-fed メンバー・そして全国各地のジェネラリストからの協力のもと、家庭医療・総合診療について親しむ和やかな会を予定しています。
詳細は以下の通りですが、皆様お時間の許す方は気軽に参加して下さい。
大阪狭山の地でお会いできることを
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日本プライマリ・ケア連合学会全国80大学行脚プロジェクト
@近畿大学医学部
~家庭医療・総合診療って何?~
日時:2013.1.27(日) 13時~17時30分
場所:近畿大学医学部 進学棟2階 第1講義室
対象:家庭医療・総合診療に興味のある学生 ほか
内容:家庭医療・総合診療に親しむ(内容・参加者は変更の可能性があります)
1.Opening/Ice Break 13:00 -13:10
2.家庭医療・総合診療って何? 13:10 –13:50
玉井 友里子先生(尼崎医療生協病院 家庭医療専門医 )
朴澤 憲和先生 (市立堺病院総合内科 近畿大学29期生)
3.GIM style Case Conference 14:00-15:00
上枡 潔先生(洛和会音羽病院総合診療科 近畿大学30期生)・ 井村 春樹先生(同レジデント)
主訴・現病歴・身体所見から鑑別診断・検査・治療計画を考える症例検討会。
4.家庭医療のEssence ~家庭医の頭の中~15:15-16:15
玉井 友里子先生(尼崎医療生協病院 家庭医療専門医 )
行動変容など 家庭医が普段大切にしていることを体験する企画;
詳細は当日のお楽しみ。
5.Free talk+全国のジェネラリストからのmessage 16:30-17:30
当日参加のジェネラリストに仕事・キャリアプラン・プライベートなど何でも聞いてみよう。
全国のジェネラリストからいただいたmessageを伝える特別企画もあります。
6.Closing・集合写真 17:30
※終了後懇親会を予定 18:00~20:00頃
参加費無料(懇親会は別途)
事前登録制:参加希望者はお名前、学年(医師の方は所属と医師年数)¥連絡先(電話番号・メールアドレス)、懇親会参加の有無を下記まで
学内の方:田下 大輔:g21031(あっとまーく)edu.med.kindai.ac.jp
学外の方:朴澤 憲和:norikazu.hozawa(あっとまーく)gmail.com
http://kanfed.jimdo.com/
ほかFacebookでも情報を随時更新中!
2012年12月23日日曜日
開催報告 東海大学 家庭医療ワークショップ
プロジェクトスタッフの菅家です。
12月8日に東海大学で行われた、家庭医療ワークショップの報告が届きました!!
頂いた報告は参加した学生の皆さんが作成してくださったもので、当日の熱気が伝わってくる文章になっています。長文ですが、ぜひご覧ください!!
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東海大学家庭医療ワークショップ
場所:東海大学 伊勢原キャンパス 3号館2階204教室
時間:2012年12月8日(土) 14:00~18:40
主催:東海大学医学部勉強会サークル T-action
共催:日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会
「ジェネラリスト80大学行脚プロジェクト」
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関東支部
東海大学総合内科/東海大学医学振興会
講師:
西村真紀先生(川崎医療生活協同組合 あさお診療所 所長)
小宮山学先生(湘南真田クリニック 院長)
桧原史子先生(諏訪中央病院)
岡田唯男先生(鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山 院長)
高木敦司先生(東海大学総合内科)
『家庭医とは何?初学者のための家庭医”超”入門』
講師:湘南真田クリニック 小宮山 学先生
伊勢原市の隣,平塚市で家庭医療を実践されている小宮山先生の講演です.最近よく耳にする“家庭医”“総合診療医”“プライマリケア”・・・漠然としたイメージはもっているけれど,具体的にどんなことをしているのかわからない,そんな初学者のために小宮山先生が3つのテーマでお話ししてくださいました.私はまさにそんな初学者の1人だったのですが,先生の分かりやすく興味深いお話を聞いて,目からウロコが落ちる思いでした.またこれからの医療とはどうあるべきか,自分はどんな医療を実践していくか,改めて考えさせられる機会でした.
テーマ① 家庭医って何?
“医療”と聞くと,私たちは“診療科別”,“臓器別の専門医”を思い浮かべます.実際に病院には必ず診療科が標榜してあり,病気かな?と思ったら,症状のある臓器の診療科を選んで病院にかかります.ところが多くの場合,1人の人が同時に複数の健康問題を抱えているので,複数の診療科,複数の病院を掛け持ちすることになります.
例えるならば,家庭医は小学校の先生,臓器別専門医は高校や大学の教科別の先生のようなものだそうです.学校は小学校に始まり,中学・高校・・と教科ごとに深く学んでいきます.小学校の先生が1人で全教科の基礎を教えつつ,生活習慣や家庭など,勉強以外のことにも幅広く関わるように,家庭医は基本的な病気やケガ全般を扱い,患者さんのもつ複数の病気を包括的に診ます.家族にもかかわったり,健康な人に対して予防医療も行います.家庭医は広い接点で患者さんやその家族,地域にも関わっていく総合医なのです.
では,総合医でも家庭医と総合内科医では何が違うのでしょうか?例えると小学校の先生(→家庭医)と中学校の先生(→総合内科)なのだそうです.家庭医は「外来診療中心,疾患と生活の両方の接点をもち,子供から大人まで診る」のに対し,総合内科はどちらかというと「病棟中心,より専門的な知識を必要とする疾患,主に成人の内科疾患を対象とする」のです.
このように,医療には家庭医,総合内科医,プライマリケア医,General Practitioner,ホスピタリなど,在宅医・・・など,臓器の枠組みを越えたいろいろな分野があるのです.
・・・ここまでお話を聞いたところで,気持ちよさそうに伸びをしている猫のスライドが登場.「はい,みんな伸びをしましょう^_^」と小宮山先生.全員うーん,と体を伸ばして深呼吸.リフレッシュしたところで次のテーマへ.
テーマ② 家庭医の「専門」?
“総合”医の“専門”とは何か,ということを考えます.
1.家族志向性アプローチをする
2.病気を発症する前に生活習慣にも関わっていく予防の専門医である
3.継続的なケアの専門医,即ち主治医である
4.患者さんを中心として,その周囲の福祉,行政の連携や調整,チーム医療の専門医
5.地域志向性アプローチ
ということです.「総論的なあたりまえのことを理念や道徳でなく知識体系に基づき技術と誇りをもって実践している」のです.
・・・と,再びここで「はい,ハイタッチ!^0^」と小宮山先生の一言.今度は隣の人とハイタッチをして盛り上がったところで最後のテーマに入ります.
テーマ③ パラダイムシフト
最後のテーマはパラダイムシフト.小宮山先生が考えるこれからの医療についてお聞きしました.
過去当たり前と考えられてきたことが,現在では疑問視されていることがある.(例えば,ロボトミー手術など)時代が変わり,社会が変われば,価値観や考え方は劇的に変わることがあります.これから少子高齢化で人口構成はがらりと変わり,社会構造も変わっていくでしょう.これまでの医療では,病気を治して命を救うことに何の疑問もありませんでしたが,この考え方にパラダイムシフトが起きる可能性もあるのです.いままでの考え方は絶対的ではなく仮説となりうるのです.
平均寿命200歳の世界は幸せだろうか?病院や施設で寝たきりで命をつなげていることが幸せだろうか?2055年65歳以上人口が4割を超えたときに,医師は,医療はどんな役割を担えばよいのでしょうか?
一番大切なことは,“パラダイムを捉える力を養うこと”.患者さんや社会が必要とする医療を自分で見極め,そして対応していくことが大切なのでは,という先生のメッセージでした.
(東海大学医学部2年 塚原 麻希子)
『家庭医的アプローチ~患者の立場に立ってみよう~』
講師:諏訪中央病院 桧原史子先生
WSを通して,家庭医が普段どういったことを考えながら問診しているかを理解し,患者の立場に立って考えるための技術として「かきかえ(FIFE)」を学びました.
「かきかえ(FIFE)」とは
か 解釈(ideas)
き 期待(expectations)
か 感情(feelings)
え 影響(function)
の4つをまとめたものです.
解釈とは,患者にとって自分の病気をどう考えているのかをたずねること.
期待とは,患者が医師,医療者に何を求めて来院したかをたずねること.
影響とは,今起こっている問題が,患者の日常生活や人生に与える影響をたずねること.
感情とは,今,どんな気持ちでいるのかをたずねること.
こういった4つのことを問診中にたずねることによって,患者は医師が自分の話を聴いてくれていると感じて,ラポールが形成しやすくなり,医師も患者の考えていることを知ることによって,より円滑に医療を進めていくことができます.
WSでは,実際に2人1組になって医師役と患者役に分かれ,「かきかえ(FIFE)」を使いながら問診を進めていく練習をしました!いざやってみると・・・・難しい!!!
まず,5分以内に問診をするということで始めたんですが,「かきかえ(FIFE)」まで聴き終わりませんでした!そして,問診の中でどのタイミングで正しいのかわからずにあたふた・・・練習が必要だなと思いました.
でも,実際に患者の側になって「かきかえ(FIFE)」を聴いてみると,確かに,話を聴いてもらえているように思いました.また,医師の立場としても,患者さんと良好な医師―患者関係を築きやすくなるなと思いました!
これからも,学んだことを実践していきたいと思います!!!
(東海大学医学部5年 貴達 俊徳)
『キャリアデザイン 〜医師の人生をどう過ごす?結婚・子育て・医師のキャリアについて〜 』
講師:あさお診療所 西村真紀先生
講師の西村真紀先生は新百合ヶ丘の住宅街の中で家庭医をされながら,子育て真っ最中でもいらっしゃいます.
西村先生は,まず,私たちの生活(人生)を,『プロフェッショナル(仕事)』,『社会貢献』,『プライベート(趣味・家庭)』の3つの円として描き,その3つの円のバランスはどうなっているか,どうしていきたいか?と,私たちに問いかけました.
ちなみに,先生の場合は,言わずもがなプロフェッショナルの円がとても大きいそうですが…,休日は,お子さんの部活の試合で,‘お茶汲み当番’という『社会貢献』にもお忙しいご様子(笑).西村先生の楽しいトークによって,雰囲気も和みます.
今回は「ワールドカフェ形式」ということで,この雰囲気作りも非常に大切な要素です.
ワールドカフェとは,カフェのようなリラックスした雰囲気で,あるテーマに集中した対話を行うことです.
今回のテーマは…
「10年後の自分を想像してみよう.仕事は?私生活は?」
「そこで問題になりそうなことは?」
「よりよく仕事と私生活のバランスを取るためにどんな工夫が必要?」
西村先生から,ワールドカフェを効果的に進めるために,
「自分が最も大切だと思うことにフォーカスして話しましょう.」
「感覚を研ぎ澄ませましょう.」
というアドバイスを頂き,さぁ,ワールドカフェを始めよう!と,カーテンをあけたところ…綺麗なオレンジ色の夕焼けが差し込んで来て,なんだか本当にカフェっぽいイイ感じの雰囲気になりました!
まずは,5~6人で1つのテーブルを囲み,お菓子やコーヒー頂きながら,対話スタート.テーブルには,模造紙とマジックが用意されていて,共有された意見,思ったことなど,なんでも書き込んでOKです.私が参加したテーブルでは,「10年後は専門医を取得している!」「結婚していたい!」など皆さんの夢や目標が飛び交いました.
15分経過したところで,各テーブルに1人だけ残り,残りのメンバーはランダムに席を移動します.出来るだけ違うメンバーと新たにグループを作り,再び同じテーマで対話をスタート.今回のWSには1年生から6年生,さらには現役の医師まで幅広い年齢層の方が参加してくださったので,メンバーが変わることで,まったく違った視点からの意見を聞くことが出来ました.
私が1回目に参加したテーブルでは,特に女性の方々から「10年後,結婚・子育てと,自分のキャリアと…両立するにはどんな工夫をすればよいのだろうか?」という不安や悩みが聞かれました.
ワールドカフェでは,メンバーの意見をまとめたり,最後に班ごとに発表をしたりすることもなければ,ディベートのように勝ち負けを決めたりすることもありません.「回収されない」と聞くと,模造紙もテンポ良く,カラフルに書き込まれていきます♪(笑)
更に15分経過したところで,元のテーブルに戻り,再び同じメンバーと同じテーマで対話をします.先のテーブルで出た話題などを各々がシェアしながら,更に対話は盛り上がりました.
特にファシリテーター役などもおいていなかったのですが,どのテーブルも,シーンとなることなく,盛り上がったり,みんなで悩んでいたりして,スタッフとしては正直ほっといたしました.そして,最後に,全員が,各々に「一番印象に残った言葉,思ったこと」を,1人10秒程度で発表.
「自分の好きなことをやります!」
「自分を知ることが大切!」
「仕事50,家庭50を目指します!」
などなど,実にスムーズに,十人十色な想いが発表されました!!(参加者のみなさんのご協力に本当に感謝です.)
キャリアデザインやライフデザインって,唯一無二の正解があるわけではなく,その人その人の,その時に,いちばんフィットする選択ができれば幸せなのかなー,と私は思います.
今回のWSは,ワールドカフェ形式をとったことで,「みんなで出した結論」ではなく,みんなの考えを聞いたうえでの「自分だけの結論」にたどり着く,‘ヒント’が見えてきたように感じました.
10年後のあなたは,どんな人生を送る「あなた」ですか?
『プロフェッショナル(仕事)』,『社会貢献』,『プライベート(趣味・家庭)』の3つの円は,其々どんな大きさで,どんなバランスで,どう交わっていますか?
このWSで得た‘ヒント’を元に,自分にフィットする人生を,楽しく探し続けていきたいな,と思いました.
(東海大学医学部3年 山口美穂)
『特別講演 「ジェネラリストの魅力」』
講師:亀田ファミリークリニック館山 岡田唯男先生
午前診療を終え,早めの東海大学入りを予定されていたようですが,強風のため,千葉県から東京都内への近道であるアクアラインが通行止めで,遠回りでお越しいただきました.お気に入りのスーツ,お気に入りのシューズまでお持ちいただいていたのに着替える時間もなく,お越しいただくことになりました.
待ちに待った岡田先生の講演は,非常にユニークな切り口からのお話で,参加者全員が引きつけられるようなお話でした.
「スペシャリスト」と「ジェネラリスト」という表現は私達が学んでいる医療の世界だけでなく,昆虫の世界,動物の世界などにも存在しているそうです.検索エンジンで検索すると,医療の表現よりはむしろ虫,動物についての方がメジャーであり,その言葉の意味することは,医療における意味と同じように使われているようです.つまり,昆虫や動物における「スペシャリスト」とは,決まったものを食糧にして生きる種のことを指し,「ジェネラリスト」とは何でも食糧にして生きる種のことを指しています.つまり,スペシャリストは食糧にできるものが決まっているので,その食糧がなくなってきたら生存が危うくなり食糧のあるところに移動していかなくてはなりません.それに対してジェネラリストは何でも食糧にできるので,一定の場所で生存でき,またどんな場所でも生存が可能です.
医療に当てはめて考えてみると,同様にスペシャリストは専門にしている疾患の方がいれば専門性を発揮できるが,いなければその専門性は生かせません.ジェネラリストは一般的な疾患を診ることができるので,どんな場所でも診療が可能です.つまり,必ず求められるということです.
岡田先生にとってジェネラリストの魅力とは,「様々な疾患を診ることができるので,診療が楽しいし,飽きない.そしてどの地域でも求められるため,常にやりがいを感じ続けることができる」ということです.
日本の医療は細分化されてきましたが,近年基本的な疾患は診ることができるようにジェネラリストの重要性が見直されています.臨床研修医制度はまさにジェネラルの重要性が見直された証拠でもあります.
将来どのような診療科で働くかは分かりませんが,今日の岡田先生のお話は将来の診療科の選択に大きく参考になるお話でした.ジェネラリストの良さに魅了されました.
『対談「ジェネラリストの魅力〜それぞれの立場から〜」』
講師: 東海大学総合内科 高木敦司先生
亀田ファミリークリニック館山 岡田唯男先生
どちらの先生もジェネラリストとしてご活躍されていますが,地域のクリニックの家庭医と大学病院の総合診療医と言うそれぞれの立場で,参加者からの質問についてお答え頂きました.また,質問によっては他の講師の先生にもお答え頂きました.
「キャリアデザインについて」
岡田先生 ⇒ジェネラリストとして働いていきたいという思いがあるのなら,臓器別専門医を経るなど敢えて遠回りをする必要はないのではないかと思います.
小宮山先生 ⇒呼吸器内科医から家庭医になった立場としては,臓器別専門医の知識は生かすことができるが,専門科から離れると使わなくなる技術や治療もある.もし専門科も持ちたいと思うなら,家庭医の知識をもった臓器別専門医のほうが視野も広くなり,生かしやすいのではないかと思います.
「地域病院だからできること,大学病院だからできること」
岡田先生 ⇒地域病院は学生との接点がないことと,研究部門は弱いところがあります.ただ,色んなしがらみはないので,好きなことができるという部分があります.
高木先生 ⇒大学病院は学生や若手医師が多いので,刺激を受けることができます.また,職員数も多く,それぞれの分野のスペシャリストがいるので研究がしやすい環境があります.
それぞれの環境で良し悪しはあり,将来のキャリアアップに必要な環境を選ぶことが必要だと思いました.何れの環境でも目標設定をしておけば,しっかりとした研修は可能で,キャリアアップも可能だと感じました.
(東海大学医学部6年 中村大輔)
『まとめ』
今回,東海大学でこのようなワークショップを開催するのは初めてでしたが,40名もの方に参加して頂くことが出来ました.参加者の方から第2回開催の要望もあり,このまま継続して家庭医療について勉強できる機会を設けていきたいと思います.
岡田先生の到着が遅れるというハプニングもありましたが,講師の先生方や参加者のみなさんのご協力で無事全てのプログラムを終えることができました.また,このワークショップを開催するに当たり日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会の先生方には大変お世話になりました.この場を借りてお礼申し上げます.本当にありがとうございました.
文責:東海大学医学部医学科 6年 原嶋 渉
2012年12月21日金曜日
開催報告 11/23 奈良医大 "Thinking Like a Primary Care Physician" Workshop
スタッフの中山です。
このWSの準備をしてくれた奈良県立医大6年の穂積拓考君がWSの報告をしてくれました。
今回は米国のGordon Greene先生をお呼びしての贅沢な勉強会となりました!!
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この度、米国University of Wisconsin School of Medicine and Public HealthからGordon Greene先生を奈良県立医科大学にお招きして、日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト80大学行脚プロジェクトと共催で、“Thinking Like a Primary Care Physician” Workshopを開催させて頂きました。まずは開催にあたり、講師としてご協力下さった玉井友里子先生, 寺岡英美先生, 中山明子先生に心から感謝を申し上げます。
【概要】
●日時: 11/23(金) 10:00~16:00 (9:30~ 受付)
●場所: 奈良県立医科大学 臨床研修センター
●講師:
Clinical Professor of Family Medicine at the University of Wisconsin School of Medicine
and Public Health Gordon Greene先生
尼崎医療生協病院 玉井 友里子先生
弓削ファミリークリニック 寺岡 英美先生
大阪家庭医療センター 中山 明子先生
●主催: 奈良県立医科大学勉強会サークル(Team Naraidai)
●共催:
奈良県立医科大学総合医療学講座
日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト80大学行脚プロジェクト
【参加者】
医学生 15人
初期研修医 1人
後期研修医 1人
その他医師 2人
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【企画にあたって】
今年の夏にWisconsinで初めてGreene先生にお会いし、その医学教育への造詣の深さに感銘を受けたのがきっかけでした。帰国後に偶然中山先生にお会いし、Greene先生をお招きしてワークショップを開催したいというお話をさせて頂き、お手伝い頂けることになりました。大学の学生に、ロールプレイやシナリオを通して、少しでもリアルに病気だけではなく、患者さんを診ることを体験してもらいたいと思って企画させて頂きました。
【スケジュール】
10:00-10:15 Dr. Greene’s introduction(1. What is Primary Care, 2. Family Medicine in
Wisconsin)
10:15-10:30 Group introduction
10:30-11:15 Role playing(疾患だけではないアプローチを体験する)
11:15-11:30 Illness & Disease(病いと疾患)
11:30-12:30 Lunch & Talk
12:30-14:00 Clinical reasoning(臨床推論)
14:00-16:00 Clinical ethics(臨床倫理)
【当日の模様】
当日は関西の学生を中心に19名の方が集まってくれました。Introductionはそこそこに、いきなり患者役と医師役に分かれてロールプレイ開始。患者役が細かい内容についてはアドリブで対応するため、本当の患者との面接さながらのロールプレイが行われていました。患者の心の奥底にまで迫れた学生もいれば、そこまでの信頼関係を短時間で築くこと
ができず、なかなか情報を聞き出せなかったという学生も。
ロールプレイの振り返りは、患者役から見て良かったこと、医師役から見て難しかったこと、シナリオの鍵となる部分に関して、先生方とディスカッションを行いました。時間が短くて患者背景の把握だけで終わってしまった、疾患を狙いにいったが有用な所見を聞き出せなかったという意見が多く出ていました。
その内容を踏まえて、中山先生が「Illness & Disease」のミニレクチャーをして下さいました。家庭医として、病気だけを診るのではなく、病気に侵されている患者背景や病気の受け止め方なども含めて、網羅的に病として診ることの大切さ、患者さんの言葉の裏に隠れた本心を聞き出すための「かきかえ」というテクニックに関するお話でした。ロール
プレイで腑に落ちなかったモヤモヤがすっと解消された気がしました。
お昼は立食形式とし、先生方と自由に話をして頂きました。家庭医について、留学について、それぞれの興味をもとにフリートークを楽しんでもらえたと思います。
午後は臨床推論についてのセッションからスタートしました。お馴染みの臨床推論と思っていたのですが、、、これまた何だかはっきりしない主訴で、一見すると不定愁訴?みたいに思えるシナリオでした。しかしじっくり話を進めていくと、とんでもなくややこしい関係が背景に見えてきて、、、疾患を当てるのではなく、背景に複雑に絡み合った糸をひと
つひとつ解きほぐしていくような、そんなセッションでした。よくわからない主訴の中に隠れた重篤な疾患を見逃さないだけでなく、その根本となる原因を患者背景にまでさかのぼって、検討していく思考過程は初めての経験でした。
さて、最後のセッションはどうしましょうか?長時間英語を聞き続けて疲れたでしょう?もう一度ロールプレイで主体的にやってみますか?という先生方のお気遣いとは裏腹に、参加者の学習意欲は留まることを知りませんでした。臨床倫理って何?難しいらしいけど、めったに聞けへん内容ならやろう!と大多数の希望があったので、ちょっと上級編の臨床
倫理のセッションを行なって頂きました。
シナリオは胆嚢癌疑いのおじいさん。肝機能にも障害が出ていて、決して楽観視できる状況ではありません。家族との旅行を楽しみにしているらしく、どのように告知しようかというテーマでした。正解や間違いという概念はたぶんない、けど、おじいさんや家族が旅行をどのように捉えるか、どのようにその時間を過ごすかにかなり影響を及ぼす告知になると予想される状況です。
本人に伝えるべきか、どのように伝えるか、、、国家試験では本人に対する告知が唯一無二の正解ですが、現実はいろんな方法が考えられる。答えが出ないからこそ、充実したディスカッションを行うことができました。
これで勉強会のスケジュールは全て終了。終了後に先生を囲んで、懇親会で楽しくお話させて頂きました。
【まとめ】
日頃は答えが用意されている問題を扱うことが多いので、答えのない問題について議論していくこのワークショップはとても新鮮なものでした。研修医になれば、このような状況に幾度となく遭遇するでしょう。その意味ではよりリアルな臨床の思考過程を体験できたのではないかと思います。Greene先生をお招きしたからこそ、達成できた目標でした。海外から先生をお招きしての勉強会は自分にとって、とてもハードルの高いものでしたが、たくさんの先生方のお力添えのおかげで無事に終えることができました。本当にありがとうございました。
2012年12月20日木曜日
開催報告 宮崎大学 第9回ざっくばらん家庭医療勉強会×第17回宮崎救急プライマリケア研究会
プロジェクトスタッフの菅家です。
12月8日に宮崎大学にて、宮崎救急プライマリケア研究会との共催で開催された、第9回ざっくばらん家庭医療勉強会の報告が届きました!
当プロジェクトでは、今回のように全国各地の研究会・グループとのコラボレーションも行っていきたいと考えています。
宮崎救急プライマリケア研究会の皆様、ありがとうございました!
今後ともどうぞよろしくお願いたします!!
===
このたび、12月8日に宮崎大学にて第9回ざっくばらん家庭医療勉強会×第17回宮崎救急プライマリケア研究会を開催いたしましたので、ご報告いたします。
講義① 「家庭医って何? 病院総合医って何?」
講師:飯塚病院 総合診療科 吉田伸 先生
タイトルを見ると非常に幅が広く、ある意味大変難しいテーマだったと思いますが、吉田先生がご自身の経験を踏まえた大変分かりやすい講義を行ってくださいました。特にサザエさん一家を例に取り上げて家庭医・病院総合医がどのように患者さんにアプローチしていくかを示したスライドは、インパクトも大きく各医師の活躍分野がイメージしやすいものでした。
ランチョンレクチャー(症例クイズ大会)
宮崎生協病院の先生方による症例クイズ大会でした。参加者は提示されたいくつかの症例に対して自分なりの診断名を紙に書いていく方式で、優勝者には豪華プレゼントもありました。ゲーム感覚で気軽に参加できるうえに、非常に勉強になりました。
講義② 「臨床推論」
講師:筑波大学水戸地域医療教育センター教授、水戸協同病院総合診療科 德田安春 先生
実際に診断を行う際に陥りやすいヒューマンエラーを明確に解説していただきました。鑑別診断を考える際に、先生が提示されたような内容をしっかりと心に留めて置くことでより洗練された漏れのない鑑別にさらに近づくことができるのではないかと思います。なかなか自分では学びにくい内容だっただけに大変貴重なお話でした。
講義③ 「第17回宮崎救急プライマリケア研究会」
講師:古賀総合病院 外科 黒木直美 先生
宮崎救急プライマリケア研究会で月に1回開催している症例カンファレンスを行なって頂きました。症例は慢性の咳嗽を主訴に来院した肺動脈塞栓症(消化管悪性腫瘍による凝固能亢進)というなかなか難しい症例でしたが、一つの症例を通して診察から鑑別の挙げ方まで幅広く学ぶことができました。
講義④ 「家庭医と地域医療」
講師:美郷町役場 西郷病院 総院長 金丸吉昌 先生
宮崎県で長年に渡って地域医療に携わり、医師でありながら行政の立場からもご活躍されている金丸先生の御講演でした。医師と地域の住民が非常に親密な、医療の原風景としての地域医療のご紹介は非常に心に訴えるものが多く、改めて医師という職業そのものについて深く考えさせられました。懇親会でいろんな先生方にお話を伺ったところ、学生、若手医師、ベテラン医師ではそれぞれで心に響いたポイントが異なっていたことも非常に印象的で、魅力的な講演でした。
今回、初めて宮崎での開催となりましたが、県外からもたくさんのご参加を頂き、参加者は90名以上という非常に大きな勉強会となりました。
懇親会では熱い思いを持った先生、学生とたくさん語り合うこともでき、また今後に向けてそれぞれモチベーションも上がったのではないかと思います。
(画像:宮崎救急プライマリケア研究会 Webサイトより)
今後、続けていくことがさらに大事だと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
ご参加いただきました皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
2012年12月13日木曜日
開催報告 京都大学 日本PC連合学会 学生・研修医部会関西支部主催 家庭医療ワークショップ
プロジェクトスタッフの菅家です。
12月2日、京都大学を会場に行われた 日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会関西支部主催のワークショップ報告をお送りします!
学生・研修医部会のブログより転載させていただきました。
http://blog.livedoor.jp/primarycare_student/
記載いただいた大阪医科大学 高岡大介さん、ありがとうございました!
====
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関西支部主催
本年も押し詰まって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?いつもお世話になっております。大阪医科大学 医学部 5年 髙岡 大介と申します。この度京都大学で開催されました、関西支部今年度第3回目のWSのご報告をさせていただきます。
今回も家庭医療のエッセンスについて学ぶ、「特集」の部と、家庭医の先生方にプログラムの魅力と先生ご自身が家庭医となられた理由についてお話しいただく「連載」の部の2本立てでプログラムを企画いたしました。それでは今回のWSを順に振り返っていきたいと思います。
日時:2012年12月2日
場所:京都大学 医学部人間健康科学科キャンパス 杉浦ホール
「特集」の部 13:00~16:00 (3時間)
テーマ:行動変容
わかっちゃいるけどやめられない ~明日から使える行動変容促し術~
担当 京都家庭医療学センター 宮川 卓也 先生
今回のテーマは行動変容ということで、まずは身近な題材としてたばこを例にとり、京都家庭医療学センターの宮川 卓也先生からたばこの及ぼす影響と行動変容、行動変容を説明する4つのキーワード(変容ステージ・自信度/重要度モデル・意志のバランス・傾聴/共感)についてのレクチャーをしていただきました。
レクチャー後3人ずつの小グループを構成し、ロールプレイを行いました。ロールプレイは、会社員(無関心期)・主婦(準備期)・会社社長(再発期)という年齢・家族構成・行動変容ステージが異なる3人の患者さんを例に行われ、医師役は、「患者はどの行動変容ステージか?」・「患者の重要度・自信度はどの程度か?」、「生活習慣やたばこに対して患者はどう考えているか?」を意識しながら進められました。各回のロールプレイ後は、医師役と患者さん役が「体験してどう思ったか」、「良くできたことは何か」、「どうしたらもっと良くなるか」などの感想を互いに発表し合いました。各班から出た意見は、「いきなり患者さんに飛びつくのではなく、まずは家族からゆっくり納得させていくのがいい」、「患者さんに切り出す話のハードルを少し下げるのがいいのではないか」などの意見が出ました!前半からロールプレイング時も発表時も中々熱い意見が飛び交い、宮川先生も「これは凄いね!」とビックリされるほどの熱気に包まれました!
後半は、ロールプレイに登場した3人の患者さんに、医師・看護師としてどのように行動変容を促していくかということをグループ全員でディスカッションし、模造紙に記入して各班で発表しました。無関心期の会社員では、「まずは自身の健康についてどのように考えているか」、「たばこの害について教えてみる」、「自分の子供の成長に悪影響を及ぼすことを説明する」、「たばこをやめることで得られるメリットを説明する」などの意見が、再発期の会社社長では「禁煙に失敗したことは悪いことではないと寛容する」、「一度は禁煙したという事実を思い出させ、次こそは上手くいくと言って褒めてみる」、「今度は成功時に報酬を与えてはどうか」などの意見が挙げられました。それをもとに種明かしとして患者さんの変容ステージと適切な介入法、自信度/重要度をあげるためのアプローチについての解説をお聞きし、「よし!次から僕/私でも完璧にできそうだ!!」となったところで終了!
今回の行動変容というテーマは医療者となるうえで大変有用だというご意見を、WS終了後に学科を問わず様々な方から頂きました。宮川先生のレクチャーも大変分かりやすく、「言葉一つで行動変容に結びつくフレーズってこんなに沢山あるんだ!」ということを知ることができました。
京都家庭医療学センター 宮川 卓也 先生 写真左
ロールプレイ中の会場の様子
「連載」の部 16:00~16:30 (30分)
テーマ:私と家庭医療
担当 大阪家庭医療センター 大島 民旗 先生
今回の連載の部は、大阪家庭医療センターの大島 民旗先生をお招きしました。実は大島先生は卒後20年以上の後にジェネラリストへ転身されたという経歴をお持ちでいらっしゃいます!そのきっかけは、先生が呼吸器内科医であった時に担当されていた患者さんが胆管癌を患われた際の苦い経験、パニック発作による呼吸苦で来られた患者さんの救急対応などから、診療科をまたいで対応ができ、患者さん自身の望む治療を提供できる医師になりたいという思いを持たれたことでした。大島先生は野球バッターを例に、専門医と家庭医の違いを「時速150km級の球を打ち返すバッター」を専門医、「様々な球を打ち返すバッター」を家庭医と大変分かりやすく説明してくださいました。
続いて、大島先生の所属であるファミリークリニックなごみのご紹介がありました。当施設は2006年4月に大阪府で初めての家庭医療後期研修プログラムの研修施設として設立され、一日外来数80人・在宅患者数70件と、大阪府の淀川区のほぼ全域と西淀川区の一部地域の医療をカバーしています。私も今度見学に行かせていただきたいと思っております!
最後に、患者中心の医療を軸に、家庭医の仕事に求められること・職業としての誇りと家庭医の社会貢献について教えていただきました。具体的には、家庭医の役目の一つとして、地域の健康増進(喫煙率の低下・予防接種の普及・がんの早期発見など)があること、家庭医の誇りは「〇〇さんのことなら何でも知っている!」ということを実感できることだとお聞きしました。また、在宅の往診の際に時期の節目の行事などを一緒に楽しんだり、誕生日を一緒にお祝いしたりするのも家庭医の醍醐味だと大島先生は仰っていました。
最後に、今回も学生26名、先生が総勢7名と計33名の大人数で開催することができました!!このように継続的にWSを開催できているのは、ご来場くださる学生の皆さんと、忙しい毎日を縫ってご登壇・ご来場くださる先生方のおかげです。関西支部は今後も継続的な学びの場を提供していけるよう精進してまいります。今後とも何卒よろしくお願い致します。
文責 大阪医科大学 医学部 医学科 5年 髙岡 大介
12月2日、京都大学を会場に行われた 日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会関西支部主催のワークショップ報告をお送りします!
学生・研修医部会のブログより転載させていただきました。
http://blog.livedoor.jp/primarycare_student/
記載いただいた大阪医科大学 高岡大介さん、ありがとうございました!
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日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関西支部主催
第三回 家庭医療ワークショップ@京都大学
共催 日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 80大学行脚プロジェクト本年も押し詰まって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?いつもお世話になっております。大阪医科大学 医学部 5年 髙岡 大介と申します。この度京都大学で開催されました、関西支部今年度第3回目のWSのご報告をさせていただきます。
今回も家庭医療のエッセンスについて学ぶ、「特集」の部と、家庭医の先生方にプログラムの魅力と先生ご自身が家庭医となられた理由についてお話しいただく「連載」の部の2本立てでプログラムを企画いたしました。それでは今回のWSを順に振り返っていきたいと思います。
日時:2012年12月2日
場所:京都大学 医学部人間健康科学科キャンパス 杉浦ホール
「特集」の部 13:00~16:00 (3時間)
テーマ:行動変容
わかっちゃいるけどやめられない ~明日から使える行動変容促し術~
担当 京都家庭医療学センター 宮川 卓也 先生
今回のテーマは行動変容ということで、まずは身近な題材としてたばこを例にとり、京都家庭医療学センターの宮川 卓也先生からたばこの及ぼす影響と行動変容、行動変容を説明する4つのキーワード(変容ステージ・自信度/重要度モデル・意志のバランス・傾聴/共感)についてのレクチャーをしていただきました。
レクチャー後3人ずつの小グループを構成し、ロールプレイを行いました。ロールプレイは、会社員(無関心期)・主婦(準備期)・会社社長(再発期)という年齢・家族構成・行動変容ステージが異なる3人の患者さんを例に行われ、医師役は、「患者はどの行動変容ステージか?」・「患者の重要度・自信度はどの程度か?」、「生活習慣やたばこに対して患者はどう考えているか?」を意識しながら進められました。各回のロールプレイ後は、医師役と患者さん役が「体験してどう思ったか」、「良くできたことは何か」、「どうしたらもっと良くなるか」などの感想を互いに発表し合いました。各班から出た意見は、「いきなり患者さんに飛びつくのではなく、まずは家族からゆっくり納得させていくのがいい」、「患者さんに切り出す話のハードルを少し下げるのがいいのではないか」などの意見が出ました!前半からロールプレイング時も発表時も中々熱い意見が飛び交い、宮川先生も「これは凄いね!」とビックリされるほどの熱気に包まれました!
後半は、ロールプレイに登場した3人の患者さんに、医師・看護師としてどのように行動変容を促していくかということをグループ全員でディスカッションし、模造紙に記入して各班で発表しました。無関心期の会社員では、「まずは自身の健康についてどのように考えているか」、「たばこの害について教えてみる」、「自分の子供の成長に悪影響を及ぼすことを説明する」、「たばこをやめることで得られるメリットを説明する」などの意見が、再発期の会社社長では「禁煙に失敗したことは悪いことではないと寛容する」、「一度は禁煙したという事実を思い出させ、次こそは上手くいくと言って褒めてみる」、「今度は成功時に報酬を与えてはどうか」などの意見が挙げられました。それをもとに種明かしとして患者さんの変容ステージと適切な介入法、自信度/重要度をあげるためのアプローチについての解説をお聞きし、「よし!次から僕/私でも完璧にできそうだ!!」となったところで終了!
今回の行動変容というテーマは医療者となるうえで大変有用だというご意見を、WS終了後に学科を問わず様々な方から頂きました。宮川先生のレクチャーも大変分かりやすく、「言葉一つで行動変容に結びつくフレーズってこんなに沢山あるんだ!」ということを知ることができました。
京都家庭医療学センター 宮川 卓也 先生 写真左
ロールプレイ中の会場の様子
「連載」の部 16:00~16:30 (30分)
テーマ:私と家庭医療
担当 大阪家庭医療センター 大島 民旗 先生
今回の連載の部は、大阪家庭医療センターの大島 民旗先生をお招きしました。実は大島先生は卒後20年以上の後にジェネラリストへ転身されたという経歴をお持ちでいらっしゃいます!そのきっかけは、先生が呼吸器内科医であった時に担当されていた患者さんが胆管癌を患われた際の苦い経験、パニック発作による呼吸苦で来られた患者さんの救急対応などから、診療科をまたいで対応ができ、患者さん自身の望む治療を提供できる医師になりたいという思いを持たれたことでした。大島先生は野球バッターを例に、専門医と家庭医の違いを「時速150km級の球を打ち返すバッター」を専門医、「様々な球を打ち返すバッター」を家庭医と大変分かりやすく説明してくださいました。
続いて、大島先生の所属であるファミリークリニックなごみのご紹介がありました。当施設は2006年4月に大阪府で初めての家庭医療後期研修プログラムの研修施設として設立され、一日外来数80人・在宅患者数70件と、大阪府の淀川区のほぼ全域と西淀川区の一部地域の医療をカバーしています。私も今度見学に行かせていただきたいと思っております!
最後に、患者中心の医療を軸に、家庭医の仕事に求められること・職業としての誇りと家庭医の社会貢献について教えていただきました。具体的には、家庭医の役目の一つとして、地域の健康増進(喫煙率の低下・予防接種の普及・がんの早期発見など)があること、家庭医の誇りは「〇〇さんのことなら何でも知っている!」ということを実感できることだとお聞きしました。また、在宅の往診の際に時期の節目の行事などを一緒に楽しんだり、誕生日を一緒にお祝いしたりするのも家庭医の醍醐味だと大島先生は仰っていました。
最後に、今回も学生26名、先生が総勢7名と計33名の大人数で開催することができました!!このように継続的にWSを開催できているのは、ご来場くださる学生の皆さんと、忙しい毎日を縫ってご登壇・ご来場くださる先生方のおかげです。関西支部は今後も継続的な学びの場を提供していけるよう精進してまいります。今後とも何卒よろしくお願い致します。
文責 大阪医科大学 医学部 医学科 5年 髙岡 大介
2012年12月11日火曜日
開催報告 12/8-9東京女子医大「第3回 大学では教えてくれないウィメンズヘルスWS」
集合写真 |
12/8-9に東京女子医大で行いました「第3回 大学では教えてくれないウィメンズヘルスWS」についてご報告させて頂きます。
参加者の満足度の平均点は103点と満点越えです!
<第1回(岡山大学)103.9点→第2回(大阪市大)98.1点とほぼ100点満点に近くを毎回たたき出しています。>
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
<勉強会名>第3回 大学では教えてくれないウィメンズ・ヘルスWS
<日時> 2012年12月8日(土)13:00~12月9日(日)13:00
<場所> 東京女子医科大学 看護学部 4階 141教室
講師&チューター |
講師:
本山哲也 菅長麗依
(亀田ファミリークリニック館山スタッフ)
中山明子
(大阪家庭医療センター・西淀病院スタッフ)
チューター:
松村伸(亀田ファミリークリニック館山シニアレジデント)
飯田美穂(川崎市立川崎病院 産婦人科)
福井謙(関クリニック)
杉谷真季(東京医療センター シニアレジデント)
田村麻由子(城北病院 後期研修医)
吉澤瑛子(亀田ファミリークリニック館山シニアレジデント)
<参加人数>
28名(医学生22名 看護学部1名 薬学部1名 オブザーバー4名)
参加大学:東京女子医科大、筑波大、聖路加看護大学、防衛医、山梨大、金沢医科大、群馬大、日本医科大、埼玉医科大、千葉大、京都大、東邦大、東京医科歯科大
学年1~6年生
<後援>日本家族計画協会 http://www.jfpa.or.jp/
<WS内容>
<12/8(土)(1日目)>
⓪13:00 イントロダクション・アイスブレイク
ナプキンの実験中
①思春期 「ライフスキル、ピアプレッシャーに打ち勝つ」
1-1 『月経』
生理用ナプキンの実験 |
(内容は月経随伴症候群・月経前症候群・続発性無月経・月経不順)
ナプキンがどれだけ吸えるのかの実験にはみんなが群がって興味津々。
その後、2人一組で月経歴を聞くというロールプレイを行いました。
1-2 STD(クラミジア)・帯下 菅長
性感染症と帯下についてレクチャーし,sexual historyの取り方を説明.
ロールプレイで病歴をとるときの難しさと,患者として性交歴を聞かれる恥ずかしさを体感。デリカシーへの配慮の重要性も体感できたのではないかと思います。
1-3 避妊・若年妊娠 ピル、IUD
・若年妊娠と中絶の現状
・避妊法(コンドーム・ピル・IUD)
10代の性行動と若年妊娠の現状をお話しして,グループでディスカッション.コンドームネゴシエーション(みんな女子の気持ちになって、彼から「コンドームを付けたくない」と言われたときにどう答えるか考える)を行いました。聞いたことのない案があって、また新たな発見がありました。
その後に避妊法・低用量ピルの使用法・緊急避妊法についてレクチャー.最終ロールプレイとして,緊急避妊法を求めてきた患者に対応する練習をしてもらいました.緊急避妊法を求めてきた患者にどう普段の避妊法のアドバイスをするのか、かなりみんな苦労して患者に対応してくれました.
②更年期・老年期 「更年期を見分けよう」
2-1 疾患を知る
・更年期・うつ病
更年期の定義と更年期障害についてお話ししました.参加者の「お母さん世代」の事なので、優しくしましょうというメッセージが印象的でした。
2-2 予防を知る
・女性の癌(子宮頸癌、子宮体癌、乳癌)・スクリーニング・HPVワクチン
ヘルスメンテナンスの4原則をお話しした上で,参加者にパソコンやスマートホンでアプリを使ってUSPSTF,ePSSで推奨される予防医療を検索.ePSSというツールに感動して頂き、いろんな検索をしてみました.
③1日目のまとめ 18:30終了予定
番外編:お好み焼き・もんじゃ焼きを食べながら楽しい飲み会!
<6/3(2日目)>
④2日目イントロダクション
⑤性成熟期 テーマ「よりよい妊娠・子育てのサポート」
・妊娠前・妊娠中・産後のケア
妊娠前に気をつけること,妊娠中に気をつけること,出産後に気をつけることという視点で それぞれのフェーズで患者さんに行えることを話し合いました.前日の基礎知識も使いながら,患者とその環境を想像して自由に意見を出し合った上で,レクチャーを行いました.産婦人科医でなくても、気を付けられることの多さにみんな驚いていました。
妊娠中は「旦那が浮気しないか気を付ける」という意見がなかなか印象的でした(が、とても大事な事ですよね)。
⑥知識整理ゲーム Jeopardy(ジェパディ!)
2日間の知識の復習をチーム対抗のクイズで行いました.毎回白熱したゲームとなり熱気ムンムンです.回答件を得るためのチームの代表がコーヒーの缶の取り合うのですが、今回も勢いがすごくて、中身が入っている缶なのに凹んでしまうくらいでした。
⑦2日間のまとめ
思春期→性成熟期→更年期という流れを復習し,すべてにヘルスメンテナンスという考えがあることをまとめて,あっという間に2日間が終わりました.
すべてのレクチャーで「一目で分かる○○」というシリーズでA4~A3見開きにまとめて渡すことでウィメンズヘルスの流れがわかる資料を作りました.ジェネラリスト志望,産婦人科志望だけでなく色々な学生が来てくれました。男の子も女の子の気持ちを想像して月経などについても必死で考えてくれました.
きっと今回勉強してくれたことを友達に伝えて,ウィメンズヘルスという分野があることを広めてくれるに違いありません.
ウィメンズヘルスを実践している家庭医として,今回も本当に楽しい刺激的な時間を過ごさせて頂きました.
第4回を日本のどこかで行いたいと思います!
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2012年12月5日水曜日
開催報告 滋賀医科大学 家庭医療レクチャー
プロジェクトスタッフの菅家です。
今日は滋賀医科大学からの報告を頂きました。
滋賀医科大学では、近隣の医師たちの協力で、定期的に家庭医療レクチャーが企画されてきました。今回は、11月29日に行われたそうで、京都家庭医療学センターの佐々木先生から報告を頂きましたので、紹介します!
==
11/29 滋賀医科大学 家庭医療レクチャー開催報告
京都家庭医療学センター 膳所診療所 佐々木隆史
昨年からほぼ毎月やっている滋賀医科大学の学生主催の家庭医療レクチャーです。先月の弓削メディカルクリニックの森先生による「とことんロールプレイ~ワールドカフェで学ぶ行動変容」というWSに引き続き、「こんな時どうする?すぐに使えるBad Newsの伝え方!」というSHARE法をつかったBad News TellingのWSを行いました。参加者は医師併せて20名でした。
医系学生さんはいずれ、相手の「病」という負の部分を対象に、治療・ケアしていかなくてはなりません。時には「不治の病」と向き合うことが必要となります。そのことをふまえて、悪い知らせをどう伝えるかを、シネメディケーションを使って、グループディスカッション形式で、みんなで考えていきました。
シネマ①「明日への記憶(2006年、主演:渡辺謙)」
ミッチー扮する神経内科医が、若年性アルツハイマーの診断をうける渡辺謙に行う医療面接を通して「患者さん、家族に優しい医療面接とは?」を考えてもらいました。「感情無く淡々とやりすぎ」「突然、認知力の検査を始められたら馬鹿にされている感じがする」といったことから、「机が患者と医者の境界線になっている」「夫と医師の板挟みの奥さんが可哀想」など、患者さんをとりまく周囲の状況までしっかり認識できていて、驚かされました。
シネマ②「SHAREをつかった癌告知」
進行癌であるとは思っていない患者に、進行癌であると伝える。SHARE Approach 「Supportive environment(サポーティブな環境設定),How to deliver the bad news(悪い知らせの伝え方), Additional information(付加的情報), Reassurance and Emotional support( 安心感と情緒的サポートの提供) の4 つの頭文字 を取った手法」をつかったVTRをみて、前回と比較してどうだったかについて同じグループで話し合ってもらいました。「相手の心をしっかりとらえていた」「家族も安心して聴いていた」「間の取り方がよい」などと、どこの班でも、私の解説抜きでも面談の本質をとらえている意見が出て、感受性が豊かだなあと思いました。一方で「こんなゆったりとした面談、本当に出来るの?」という質問もありましたが、参加者の先生から「運転免許の教習みたいなもので、実際とは異なることもあるが、手本としている」とコメント頂き、私も納得でした。
ロールプレイ(予定だった)「明日から使えるSHARE」
体育会クラブのキャプテンという設定で、同じ仲間に対して、どのようにレギュラー落ちを伝えるか?という面談を、SHARE法を用いてやってみました。残念ながら、時間が無くスライドのみでしたが、結構ウケてくれたので、これでみんなが明日から使えると確信しました。
今回、はじめて講師として参加させてもらいましたが、平日の19:30から集まってくれる学生さんって、すばらしい宝物だと思いました。同時に各診療所からも家庭医が集まってくれて、もう「滋賀の家庭医はたのしが、うれしが」です。
2012年12月4日火曜日
開催報告 順天堂大学 〜家庭医療×行動変容~家庭医療の学び場×情熱のたまり場 Episode.3~
行脚プロジェクトスタッフの菅家です。
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会では、各地区ごとに学生が主体となった勉強会・セミナーなどを企画・運営しています。その中の一つ、関東支部の活動で、11月23日に順天堂大学で行われた企画の報告を頂きましたので、紹介します!
企画運営してくれた頼母木さん、報告を書いていただいた米山さん、ありがとうございました!
==
こんばんは。埼玉医科大学の米山果織と申します。
先日行われました【家庭医療×行動変容~家庭医療の学び場×情熱のたまり場 Episode.3~】の報告をさせていただきます。今回の勉強会は、11/23に順天堂大学の教室をお借りして、埼玉医科大学主催で行われました。
急に寒くなり、雨まで降ってきて、あまり良いコンディションではありませんでしたが、北は北海道、南は熊本から総勢30名近くの方が足を運んでくださいました。
5時間で4つのお題&質疑応答があり、とても盛りだくさんな内容でした。
《家庭医になるまでの経緯と方法》
家庭医とは”あなた”を専門にする医師、家庭医=幕の内弁当仮説、家庭医=小学校の先生仮説など、家庭医とはどのような医師なのかを中心に自分の中の家庭医のイメージをより具体化することができました!
また家庭医になるためには、まず自分がワクワクすることは何かを考え、家庭医になったあとにどのような人生を歩んでいきたいかというビジョンを持つことが大切だと感じました。
《行動変容》
まずは糖尿病の患者さんに運動療法、食事療法を提案するというロールプレイング。
患者さんの話をよく聞いて、“ましょうの女”(○○しましょう)にならないように提案するのが大切でした。
次に禁煙外来に来た患者さんに対する指導のロールプレイング。ときにcoolに、たまにはhotに、患者さんのことを思うような発言をするときもあれば、逆に肩すかしのような対応で患者さん本人から行動するようにする…患者さんの行動変容のステージモデルや状況に合わせて、いろいろな対応をしなければならないと知りました!
またどんなときにも褒める!成功したら褒めて、くじけないように先手を打って褒めて、できたことを見つけて褒める!というのが、とても心に残りました。今後の生活にいかせそうです!
《研修医の先生のお話》
後期研修医の先生2人に来ていただき、家庭医を目指した経緯や将来の展望などを聞かせていただきました。研修医の先生方は学生である私たちと歳も近く、マッチングや学生生活についてなど、身近なことについても聞くことができました。
興味を持ったことには自分から積極的に触れ、人との出会いを大切にしていこうと思いました!
《都市部と地域の違い》
家庭医として働く上で、働く地域による違いはあるのか?という疑問から、静岡・川崎での家庭医の先生方の日常についての話を伺いました。
近くに大きな病院や専門の診療所があるか、機材はどこまであるのかによって多少働き方に違いはあるものの、どちらも家庭医。家庭医としてやらなければいけないことは共通なので、基本の業務はそれほど変わらないということが分かりました!
《質疑応答》
ホワイトボードに質問スペースを設けたところ、ホワイトボードいっぱいに質問が集まりました。一つ一つの質問に対し、じっくり答えていただきました。初期研修で学ぶべきはcommon diseaseであるとか、都市型家庭医は可能である!など、これまであまり意識したことがなかったことについても質疑応答を通じて考えるきっかけになりました。
今回の勉強会は短い時間で、たくさんのことを学ぶことができました。家庭医についても、行動変容についても、キャリアパスについても、多くを考えるきっかけになったのではないでしょうか。内容が盛りだくさんで少し大変でしたが、先生方・参加者の皆さんのおかげでとても有意義な時間になりました。寒い中、本当にありがとうございました。
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会では、各地区ごとに学生が主体となった勉強会・セミナーなどを企画・運営しています。その中の一つ、関東支部の活動で、11月23日に順天堂大学で行われた企画の報告を頂きましたので、紹介します!
企画運営してくれた頼母木さん、報告を書いていただいた米山さん、ありがとうございました!
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こんばんは。埼玉医科大学の米山果織と申します。
先日行われました【家庭医療×行動変容~家庭医療の学び場×情熱のたまり場 Episode.3~】の報告をさせていただきます。今回の勉強会は、11/23に順天堂大学の教室をお借りして、埼玉医科大学主催で行われました。
急に寒くなり、雨まで降ってきて、あまり良いコンディションではありませんでしたが、北は北海道、南は熊本から総勢30名近くの方が足を運んでくださいました。
5時間で4つのお題&質疑応答があり、とても盛りだくさんな内容でした。
《家庭医になるまでの経緯と方法》
家庭医とは”あなた”を専門にする医師、家庭医=幕の内弁当仮説、家庭医=小学校の先生仮説など、家庭医とはどのような医師なのかを中心に自分の中の家庭医のイメージをより具体化することができました!
また家庭医になるためには、まず自分がワクワクすることは何かを考え、家庭医になったあとにどのような人生を歩んでいきたいかというビジョンを持つことが大切だと感じました。
《行動変容》
まずは糖尿病の患者さんに運動療法、食事療法を提案するというロールプレイング。
患者さんの話をよく聞いて、“ましょうの女”(○○しましょう)にならないように提案するのが大切でした。
次に禁煙外来に来た患者さんに対する指導のロールプレイング。ときにcoolに、たまにはhotに、患者さんのことを思うような発言をするときもあれば、逆に肩すかしのような対応で患者さん本人から行動するようにする…患者さんの行動変容のステージモデルや状況に合わせて、いろいろな対応をしなければならないと知りました!
またどんなときにも褒める!成功したら褒めて、くじけないように先手を打って褒めて、できたことを見つけて褒める!というのが、とても心に残りました。今後の生活にいかせそうです!
《研修医の先生のお話》
後期研修医の先生2人に来ていただき、家庭医を目指した経緯や将来の展望などを聞かせていただきました。研修医の先生方は学生である私たちと歳も近く、マッチングや学生生活についてなど、身近なことについても聞くことができました。
興味を持ったことには自分から積極的に触れ、人との出会いを大切にしていこうと思いました!
《都市部と地域の違い》
家庭医として働く上で、働く地域による違いはあるのか?という疑問から、静岡・川崎での家庭医の先生方の日常についての話を伺いました。
近くに大きな病院や専門の診療所があるか、機材はどこまであるのかによって多少働き方に違いはあるものの、どちらも家庭医。家庭医としてやらなければいけないことは共通なので、基本の業務はそれほど変わらないということが分かりました!
《質疑応答》
ホワイトボードに質問スペースを設けたところ、ホワイトボードいっぱいに質問が集まりました。一つ一つの質問に対し、じっくり答えていただきました。初期研修で学ぶべきはcommon diseaseであるとか、都市型家庭医は可能である!など、これまであまり意識したことがなかったことについても質疑応答を通じて考えるきっかけになりました。
今回の勉強会は短い時間で、たくさんのことを学ぶことができました。家庭医についても、行動変容についても、キャリアパスについても、多くを考えるきっかけになったのではないでしょうか。内容が盛りだくさんで少し大変でしたが、先生方・参加者の皆さんのおかげでとても有意義な時間になりました。寒い中、本当にありがとうございました。
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