今回は、8月3日に秋田大学で行われた「ドクターG 岡田先生と学ぶcinemeducation!」の報告を、秋田大学学生 渡部健さんからいただきました。ありがとうございます!
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セミナー名 ドクターG 岡田先生と学ぶ cinemeducation!
日時 2013年8月3日(土)10時〜11時30分
開催場所 秋田大学本道キャンパス 管理棟会議室
参加者 医学生11人
秋田県臨床研修協議会が主催する「専門研修に向けたキャリアナビゲーション&スキルアップセミナー」の特別講師として来秋された岡田唯男先生より、学生へ向けても何かセッションをやりたいとの打診があり、本セッションが実現した。今回は岡田先生が得意とする教育手法であるcinemeducationを取り入れ、ジェネラリストとしての医師のあり方や、プロフェッショナリズム、告知のあり方などを学んだ。
まず、イントロダクションとして岡田先生の診療フィールドである千葉県・館山についての紹介、先生のご専門である家庭医療・教育についての紹介があった。
イントロ終了後はcinemeducationに移り、映画の一部分をクリップとして鑑賞し、その後2グループに分かれて自由討論し、最後に全体で討論することを繰り返し行った。
cinemeducationは、映画を鑑賞して、他の参加者の感想や意見を聞きながら、医療やその他について新しい考えや思いを得る教育手法である。今回は、3つのクリップを鑑賞し討論を行ったが、同じクリップでも各参加者が多様な意見を持っており、それらを共有することでより深い学びができたと感じた。
クロージングでは、先生の「『よく学び』も大切だが、『より遊ぶ』ことも大事。」というお話が印象的であった。患者の生活や考え方、背景をすべて踏まえた上で診療するのが家庭医のモットーであるが、外来1回15分として1ヶ月の時間を分に直すと1/3600しかその人を見ていないそうだ。そのため、「ジグソーパズルの1個のピースを見て、全体の完成図を想像できる」ような医師にならなければならず、Narrativeな部分を感じることを学生時代から意識して勉強すべきだとお話があった。そのために、映画まるまる1本を観るのでなく、切り出した一部分だけを観ているとのことだった。また、様々な職業の人・年齢の人・生活を知ることではじめて、患者の話を共感することができることから、学生時代から様々なバイトをしたり、旅行をしたり、経験を積んでおくことが必要だとお話があった。様々な患者を診察する家庭医ならではの技術ではあるが、これは患者の診療にあたる医師全員に通ずる、必要不可欠な技術だと感じた。
今回のセッション参加者は低学年、特に1年生が多かったが、そういった学生でも十分に楽しく、そして深く学ぶことができるセッションであった。今後は学生同士でもcinemeducationをやってみたいという声も多く聞かれたため、ぜひ学内で実施してみたい。