2012年11月28日水曜日

開催報告 愛媛大学「ジェネラるえひめ」


プロジェクトスタッフの菅家です。
11月24日に愛媛大学で開催されたプライマリ・ケアワークショップの報告を、
愛媛大学5年の東野さんから頂きました!ありがとうございます!

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私自身が九州の「ざっくばらん家庭医療勉強会」に2回参加し、このような勉強会が四国、愛媛にもあればいいなと思い、飯塚・頴田(かいた)家庭医療プログラムの吉田伸先生に企画をお願いいたしました。

【勉強会名】ジェネラるえひめ”プライマリ・ケア勉強会 in 愛媛”
【場所】愛媛大学医学部
【主催】愛媛大学プライマリケア勉強会 CLE
【共催】愛媛大学地域医療学講座、日本プライマリ・ケア連合学会 ジェネラリスト80大学行脚プロジェクト
【参加者】29名
学生19名、うち愛媛大学医学部学生14名、他大学学生5名
医師:10名(講師5名含む)

【セッション1】”愛媛の地域医療の現状”
愛媛大学医学部地域医療学講座の川本龍一教授に、愛媛の地域医療の現状と展望についてご講演いただきました。愛媛県の人口や医師数の詳細なデータを基に概説していただいた後に、医師としてのプロフェッショナリズムの必要性について、社会からどういう期待をされているかという点もふまえてお話いただきました。そして、地域医療・家庭医と専門医とを対比しつつ、その2種類のマインドを持つことが重要であると教えていただきました。

【セッション2】”悪性腫瘍の外来診断(いつ疑い、どう説明し、紹介するか)”
飯塚・頴田家庭医療プログラムの吉田伸先生、松口崇央先生に、悪性腫瘍の外来診断についてレクチャーしていただきました。癌の中でも大腸癌にターゲットを絞り、その疫学について概説していただきました。その後、便秘が主訴の症例を通じて、どのような鑑別診断が挙るのか、どのような症状で大腸癌を疑うのかということを教えていただきました。次に、症状はないが大腸癌が心配という症例を通じて、大腸癌がん検診の流れや特徴、便潜血検査、全大腸内視鏡検査について米国のガイドラインも紹介しながら説明していただきました。最後に、2人1組になって医師が患者にがん検診の説明をするロールプレイを行いました。

【セッション3】”解釈モデル入門編”
愛媛生協病院の山本美奈子先生に解釈モデルのレクチャーをしていただきました。まず2日前からの咳嗽が主訴の風邪の症例を通じて、主訴と受診動機がイコールでないことを示されました。その受診動機を知るための方法として、「患者中心の医療」を紹介・説明していただきました。そして患者中心の医療技法の中でも、「疾患と病いの経験を明らかにする」という点について「FIFE」や「かきかえ」などの語呂を交えて教えていただき、先の症例の解釈モデルを検討しました。次に主訴が頭痛の症例についてグループごとに解釈モデルを探り、患者の不安を理解するための問診を考え、患者中心の医療についての理解を深めることができました。

どのセッションでも、病気を診断・治療するだけではなく、その患者さんの不安や期待に対しても対応する、全人的医療の大切さが強調されていました。

最後に十全総合病院の浅羽宏一先生に、今後も愛媛からプライマリ・ケアを発信できたら、というお言葉をいただき閉会となりました。

その後も懇親会で多くの意見が交わされ、非常に熱い夜となりました。

ご参加いただいた皆様、企画にご協力いただいた講師の先生方のおかげで、このような素晴らしい会が開催できました。皆様本当にありがとうございました。

文責:代表世話人 愛媛大学5年 東野 誠

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