プロジェクトリーダーの菅家です。
今日は、滋賀医大で月に1回行われている、
家庭医療学習会第3弾の報告が届きました!
家庭医療学習会第3弾の報告が届きました!
中村先生、いつも報告ありがとうございます!
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京都家庭医療学センターのシニアレジデントの中村琢弥です。
2011年6月28日に滋賀医科大学医学生に対して「頭痛診療」についての学習会を開きました。
本学習会は私の母校である滋賀医科大学の家庭医療勉強サークルであるFPIGや国際医療保険学習サークルであるTuktukの方々と協力し、2011年4月、5月と実施されました毎月一回の家庭医療学習会の第3弾になります。
今回は前回のアンケートで圧倒的に要望の多かった「頭痛診療」について、家庭医が診療するという視点から学習会を構成することとなりました。
いざ構成しようと思うとこれがまた本当に難しい…。特に今回は医学生の幅広い学年が参加する可能性が高く、その中で頭痛診療のどの部分をどのように勉強して頂くかはとても頭を悩ませました。色々考えた結果、話すポイントを3つに絞りました。
1,危険な頭痛を除外する努力を怠らない。
2,頭痛=脳、とは限らない。
3,1次性頭痛の苦悩を軽んじない。
特に家庭医としては1次性頭痛への診療をきちんと行うことは強調したいものです。 これらを軸にして、症例ベースに楽しく議論しながらそのフレームワークを学ぶ会を目指しました。
すっかり定着してきた火曜日放課後のこの会ですが、当日は飛び入り参加もあり、なんと20人の参加となりました。事前情報では10人くらいと聞いていたので、資料を20人分しか用意していなかっただけにぎりぎりの人数でうれしい悲鳴でした。学年は予想通り1回生から5回生まで幅広く参加され、また看護学科の学生さんも参加されるなど、その進行の難しさを再認識して開始となりました。
基本スタイルはこれまで同様グループワーク方式として、なるべくスモールグループでのディスカッションの時間を多く設けました。出された意見はどれも否定せず、そこから学びに繋がる一言を抽出し、“承認”のメッセージを送り続けることを意識しました。症例は全部で4つ、1例目はSAH症例で危険な頭痛の紹介とRed flag signの活用を、2例目は緑内障症例で頭痛は脳とは限らないことの強調(学生からの鑑別では帯状疱疹なども挙がりました。みんなすごい!)、3例目は片頭痛症例で診断基準を活かしての診療とそのマネジメントを学んで頂き、最後の4例目は応用編として片頭痛病歴の患者さんの頭痛薬による薬剤誘発性頭痛の紹介にて、頭痛診療の奥深さを体験して頂きました。
また今回もその議論を活性化するために、ラミネート加工した「頭痛カード(Red flag sign一覧と代表的な1次性頭痛の診断基準を網羅したカード)」を参加者個人用に作成し、同時にそれを会に参加してもらった方へのプレゼント(お土産)としました。
総じて会全体として、非常に大盛況のうちに終了しました。懸念していた低学年の反応もよく、「次も参加します!」との声をたくさんいただきました。4つの症例を体験するうちに頭痛診療においては問診がいかに大きな比重を占めるかが分かってもらえたようで、だんだんとするどい問診が飛び出すようになったこともファシリテートしていて非常にうれしく思いました。
Next Stepは今回少し欲張りすぎた内容だったかなということです。時間を守ろうとするあまりちょっと駆け足に感じた方もいたようだったので、そこは内容をセーブすることを検討すべきだったと思っております。またフレームワークに絞った内容だったので、ひとつひとつの疾患について詳しく学びたい人にとっては少し物足りなかったかもしれません。これらは真摯に受け止めて、90分間でどこまで高い学習効果を上げられるかということにこれからもチャレンジしていきたいと思います。
報告は以上です。今後もこの会は月一回で継続実施予定ですが来月は夏休みのため、次回は8月か9月になる予定です。
<京都家庭医療学センターのブログ記事はこちら>
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